構造文書の大切さ
初心者向けといいつつ、いきなり内容が飛んだのでやっぱりもう少し初心に返ってみる。
ほんとに今から勉強を始める方に言いたかった事。
CSSの話をする前に(x)htmlをちゃんと書けるようにしておくべきだという話。
大げさでもなんでもなく、ちゃんとした(x)html=「構造文書」が作れないというのは損。というより、すべての根源がそこにあるという事をしっかり考えて欲しい。一昔前なら構造文書なんて気にしなくてもよかった。これだけ標準準拠がどうのこうの、XMLがどうのこうのと業界関係者が騒いでいても、無視してるのか気づいてないのか、昔のまま何も考えずサイトを作り続ける制作者もいるというのも事実。
それはそれで仕方ない事ではあるし、強制しようったって本人がやらないならどうしようもない。私自身は標準って何の事だろう?どういうメリットがあるんだろう?なんて自分なりに少しずつ理解していって結果として「こっちの方がメリットがある」と判断したから今のやり方を選んだわけだ。今からせっかく勉強するなら正しいとされている事をした方がいいと本気で思う。
商売でwebをやっていると、どれだけ(x)htmlのソースがキレイだろうと、ソースが汚くても見た目のデザインがいいものをクライアントは好む。もうこれは鉄則。仕方ない。そこは客商売だと割り切らなくてはならない時もある。
しかし客が見栄えを重視しようが(x)htmlソースをおろそかにする事には何の意味もない。しいて言えばコーディングの時間を短縮できるくらい。それは制作者の都合であり、やっぱり形に残る自分の仕事は見えないソース部分もちゃんとしたいという意識はプロとして大切だと思う。
では構造文書って何?という話だが、なんだかこんな大げさな名前ではあるが、最大限に噛み砕いて言えば「ちゃんと中身をまとめてある文書」の事。
誰でも1度は何かをまとめた文書を書いた事があると思う。
例えば大学のレポート、いきなり本文を書かずにまず題名・大見出し・学籍番号・名前を書く。その後本文。その中にも小見出しを書いたり箇条書きがあったり。そういう風にちゃんとまとめて書いてる文書をwebでは構造文書、(x)htmlと呼ぶ。(すごく平たく言ってるけど)
具体的にはここのサイトを見るくらいならタグというものは知ってる方が大半だと思うが、見出しはhタグ、段落(一般的には本文の文章のこと)はpタグ、箇条書きはulタグを使って、コンピューターに「ここは見出しですよ」「ここは段落ですよ」というのをキチンと理解させるためにこういう構造文書というものを作る。
これが普通になんのタグもつけずに文章だけ書いてたら、コンピューターは文章の内容は読み取っても、何が見出しで何が段落で何が箇条書きのリストなのかを理解できない。言い換えれば、どこが大切な部分かを理解しないままただ文章だけを読み取るということになる。
ただ、その場合もブラウザ上では表示される。だから余計にあまり構造を気にしない人がいるわけだ。「表示されてるんだからいいじゃん」みたいなね。
構造と見栄えの分離、ご存知の通り構造は(x)html、見栄えはcssにって話だが、cssで見栄えを整えるにしても、正しい構造文書でないと、思わぬ表示になったり、正しく表示されない場合もある。そういった意味でも正しい(x)htmlソースを書くことは大切なのである。
んじゃ正しいって何を基準にしているの、という話だが、W3Cというwebの仕様を決めている団体がある。IEとかFirefoxとか様々なブラウザがあるが、基本的にはこの団体の決めた仕様に沿って開発している。つまり正しい構造文書を作ろうというのは、ここで決められた事に対してそれを正しく使おうという事。
もちろんW3Cの仕様どおりに作っていても、ブラウザのCSSの解釈が異なって思わぬ表示になる事もあるが基本的には守ろうよという世界共通のマニュアルみたいなものだと思えばいい。
自分自身、ちゃんと構造文書というものを意識し始めたのがここ2.3年なので偉そうなことは言えないが、とりあえずまず誰でも使える「ソフト」に頼るばかりの制作は一旦やめて、(x)htmlソースをちゃんと自分で書けるがどうかという点を考えてほしい。
私は最初ソフトに依存した作りしかしてこなかったので随分時間を無駄にした。今ソフトで作ってるソースでもいいのでちゃんとソースを見て、それを自分がちゃんと理解しているかどうかの確認はした方がいい。案外ソフトの吐き出すソースはいい加減なものも多い事も。
長くなってしまったが、とりあえず基本はちゃんとした構造文書を書く事から始まるということまとめで・・・。
追記(2007.03.03)
はてブのコメントにて『言いたいことは分かるけど、初心者には構造化によるメリットが分からないという罠。っていうか、初心者は見栄えの変化を先に学びたいので、不思議マークアップとかCSSを先に勉強しがち。』と書いてくださった方がいらっしゃいました。
おっしゃる通り、そのとーーり!だと思う。ほんとに的を得たコメントありがとうございます。そういう気持ちは私自身も体験した事があるしよく分かる。それでもいつか何かをきっかけに、ちゃんとした文書書いておけばよかったと後から後悔する前に、最初からメリットうんぬんが理解できなくてもそういうやり方なんだと覚えてしまった方がよいと思ってます。
と、いっても何の強制力もなく、本人次第なんだけど。難しい話より自分がやりたい事をやりたいようにやる方が楽しいもんなぁ。。。両立できるのが一番なんだけど、現実は難しいのかも。
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コメント (4)
初めてコメントします。
最近HTMLとCSSを改めて勉強しはじめたモノです。
つい先日、某WEBコンサルティング会社に
WEBの制作依頼をさせて頂いた事がきっかけで
勉強をしはじめました。
あまりにも酷いものを納品されたので
(デザインも、ソースも申し分なく酷かったです)
へこんで、自分で勉強しはじめた感じです。
プロではない立場からみても、
いくらデザインが良かったとしても
ちゃんとした形で書いてもらえないと
今後するだろう更新の際に、大変困ります。
せっかくのデザインも崩れてしまったりなどもしますし。
今回先方にそれを伝えたところ
「だから裏側で簡易更新できるプログラム組む金出せ」
的な事をいわれました。
ソースをきれいにする気は一切なし!!のようです。
>最初からメリットうんぬんが理解できなく
ぺらぺらな素人ですが
私自身はおっしゃる通りだと思います。
外見は綺麗な女性なのに性格が不細工な方は
たいてい、年を重ねるごとに(更新をするごとに)
中身の悪さが外見に出てくると思うのです。
それと似てるような気がしてなりません。
redさんのおられる会社に依頼をしていれば
こんな無駄なお金をつかわなくてすんだのになあ
と思いつつ、記事を読ませて頂きました。
長文コメント 失礼いたしました。
今後も更新、楽しみにしております(^^
投稿者: hoges | 2008年06月01日 00:08
>hogesさん
コメントありがとうございました。
お返事遅くなってしまってすいません><
確かに他の人が作ったものを別の担当者が更新するケースってソース次第では大変な目に合うことになっちゃいますよね。そういうケースでこそ、やっぱりより一層キレイなままで納品を心がけるべきだと思うんですが・・・。
実は自分も今更新システムとかは使わずに、自分が作ったサイトをクライアントさんに直接ソースを更新して頂いてるん案件もあるんですが、「こうしたいんですけど、どうすればいい?」って聞かれたときにやっぱりソースがちゃんとしてる方が教えるほうも教えやすいですしね。何かあった時にどこが原因でうまくいかないのかとか発見しやすかったりもします。
『更新できるプログラム作るから金だせ』とか開き直られても・・・困りますよね(汗)
そういうプログラムを作るにしてもソースはキレイな方が早く作れると思うんですが・・・。根本的な視点がきっとズレてるんでしょうね。ともかく制作側がもう少し努力してくれると嬉しいですねー。
投稿者: Red | 2008年06月03日 11:48
お忙しい中、コメントレス、有難うございます!!
>実は自分も今更新システムとかは使わずに
正直、このお返事をもらうまでは
私がその会社に無理難題を言っている。。のかも?
などと思っていたのですが
他にもそういった依頼をされている方がいらっしゃって
かなり安心しました。
>ソースはキレイな方が早く作れると思うんですが・・・。
わたしもそう思ってました。。
依頼する際に、資料となる(こんなかんじにして的な)URLを数件、先方に渡したのですが
なんと、その資料としてもらいたいURL先の一件を
そのままそっくりCSS抜き取ってきて
関係ないところもそのまま、のソースだったので
見た時は本当に驚きました。
ある程度。。であればまだ分かるのですが
そのCSSは制作者の方のお名前や作成日なども
コメントアウトされていたもので
それすらも消さずに!!
本当に、本当に、びっくりしました。
そんな中、Redさんのブログに巡り合うことができ
ホッとしています。
今後も更新を楽しみに しょぼしょぼきますね(^^
投稿者: hoges | 2008年06月13日 16:48
>hogesさん、こんにちわ。
>他にもそういった依頼をされている方がいらっしゃって
>かなり安心しました。
更新頻度やタイミングの都合でクライアント側で更新したいとおっしゃる方は多いですよ。たいがいは最初そう言ってても、さすがにまったくhtmlを知らないor勉強する気のない方に「どうぞどうぞ」とは言えないので、更新できるシステムを入れる事を薦めたりもするんですがそこで「やっぱりいいや」ってなるケースも多いですねw
私の場合、ご自身で更新されてるクライアントさんが更新する部分はCSS側でタグに直接cssを割り振らずシンプルなhtmlを書くだけで済むような形で提供する事ができたので、今のところ大きな表示崩れもなくスムーズに行ってると思います。CSSは絶対触らない、分からない点は絶対無理せず必ず聞く、表示に新しい追加希望があれば相談する、とかいろいろとお互いの約束事は設けてますけどね(n' ω 'n)
>そのCSSは制作者の方のお名前や作成日なども
>コメントアウトされていたものでそれすらも消さずに!!
これは・・・『投げやり』感が伝わってきてhogesさんもモチベーション下がりますよね。。。
どっかのソースをコピーするにしても中身の点検くらいは最低限してほしい。投げやりじゃないとすればその程度の知識もない制作者ってことですし・・・。自社とその制作会社の間に入ってやり取りされると、板ばさみで大変でしょう・・・。キレずにお付き合いしていかれるのは大変だと思いますが、ほんと、頑張ってくださいね。適度に息抜きしてストレスためないように・・・(n'ω' `)
投稿者: Red | 2008年06月15日 13:16